• 検索結果がありません。

2015年8月21日更新 | 一般財団法人 日本税務協会

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "2015年8月21日更新 | 一般財団法人 日本税務協会"

Copied!
78
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

租税特別措置法等

(金融・証券税制関係)

の改正

一 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所

得等の非課税の創設

 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得 及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)は、これ まで投資に関心のなかった個人の株式市場への参 加を促進することを目的として平成26年から導入 されています。しかしながら、NISAの利用実態 を見ると、非課税口座を開設している者はこれま でも比較的多くの株式投資を行っていた高齢者層 に偏っているのが現状です。そこで、若年者層へ の投資のすそ野拡大を図るとともに、高齢者層か ら若年者層への世代間の資産移転を促すことを目 的として、対象者を20歳未満の者に限定した未成 年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び 譲渡所得等の非課税措置が創設されました。

1  未成年者口座内の少額上場株式等に係

る配当所得の非課税措置の内容

⑴ 配当所得の非課税措置の内容

 金融商品取引業者等の営業所に未成年者口座 を開設している居住者又は恒久的施設を有する

非居住者(以下「居住者等」といいます。)が、 次に掲げる未成年者口座内上場株式等の区分に 応じそれぞれ次に定める期間内に支払を受ける べきその未成年者口座内上場株式等の配当等 (その金融商品取引業者等が国内における支払 の取扱者で一定のものであるものに限ります。) については、所得税を課さないこととされまし た(措法 9 の 9 ①)。

① 非課税管理勘定に係る未成年者口座内上場 株式等……その未成年者口座にその非課税管 理勘定を設けた日から同日の属する年の 1 月

1 日以後 5 年を経過する日までの間

② 継続管理勘定に係る未成年者口座内上場株 式等……その未成年者口座にその継続管理勘 定を設けた日からその未成年者口座を開設し た者がその年 1 月 1 日において20歳である年 の前年12月31日までの間

(注 1 ) 金融商品取引業者等とは、金融商品取引 業者(第一種金融商品取引業を行う者に限

目    次 一 未成年者口座内の少額上場株式等に係

る配当所得及び譲渡所得等の非課税の創 設……… 145 二 非課税口座内の少額上場株式等に係る

配当所得及び譲渡所得等の非課税の改正   ……… 183 三 上場株式等に係る譲渡所得等の課税の

特例等の改正……… 189 四 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に

係る所得計算等の特例等の改正………… 194

五 特定新規中小会社が発行した株式を取 得した場合の課税の特例の改正………… 203 六 金融機関等の受ける利子所得等に対す

る源泉徴収の不適用の改正……… 207 七 配当所得の改正……… 208 八 生命保険契約等の一時金の支払調書制

度の改正……… 210 九 所得税法及び租税特別措置法等の規定

(2)

創設のねらい

○ 若年層への投資のすそ野拡大

○ 高齢者に偏在する膨大な金融資産を若年層に移転して、成長資金へと動かす契機に ○ 未成年者の独り立ちまでの長期にわたる投資を促進

○ 世帯単位でみた非課税投資可能額の引上げ

1 .非課税対象   : 20歳未満の者が開設する未成年者口座内の少額上場株式等の配当、譲渡益

2 .非課税投資額  : 非課税管理勘定の設定年に、次の金額の合計額で80万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可)

      ① その年中の新規投資額

      ② その口座の他の年分の非課税管理勘定から移管する上場株式等の時価 3 .非課税投資総額 : 最大400万円(80万円× 5 年間)

4 .口座開設期間  : 平成28年から平成35年までの 8 年間

       (注) 現行の NISA 制度の口座開設期間は、平成26年から平成35年までの10年間とされている。

5 .非課税期間   : 原則最長 5 年間

(注) 口座開設期間終了後も、既投資分は20歳になるまで非課税で保有し続けることを可能とする。 (非課税期間の終了時に有する上場株式等の時価80万円を限度)

6 .払出し制限   :   ①非課税期間中に生じた上場株式等の譲渡代金及び配当や、②非課税期間終了時に他の 年分の非課税管理勘定に移管しなかった上場株式等は、課税未成年者口座で管理。 その年 3 月31日において18歳である年の前年12月31日までは原則として未成年者口座 及び課税未成年者口座からの払出しは不可。

未成年者口座や課税未成年者口座から制限に反して払出しをする場合は、①過去に未成 年者口座内で生じた配当と譲渡益及び②払出し時点の未成年者口座内の少額上場株式 等の含み益について課税。

(注) 災害等により居住家屋が全壊したこと等の重大なやむを得ない事由が生じた場合には、非 課税による払出しを可能とする。

7 .施行日     : マイナンバー法の施行に合わせ、平成28年 1 月に受付を開始し、同年 4 月より口座開設開始。 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の概要

<制度終了前に20歳になる場合> 【非課税措置のイメージ①】

非課税期間 最長 5 年

5 年間で累積最大 5 勘定 非課税投資総額400万円

(勘定設定年)

28年(13歳)

29年(14歳)

30年(15歳)

31年(16歳)

32年(17歳)

33年(18歳)

譲渡代金

配当等 再投資が

可能 34年(19歳)

35年(20歳) 28年

(13歳)(14歳)29年 (15歳)30年 (16歳)31年 (17歳)32年 (18歳)33年 (19歳)34年

払出し制限解除

払出し制限解除 課税未成年者口座(上場株式等・預貯金等)

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

120万円

35年

(20歳)(21歳)36年

非課税口座(現行 NISA) へ移管可能

37年

(22歳)(23歳)38年 (24歳)39年

N

I

S

A

(3)

ります。)、登録金融機関又は投資信託委託 会社をいいます。

(注 2 ) この「未成年者口座内上場株式等」とは、 未成年者口座管理契約に基づき未成年者口 座に係る振替口座簿(社債、株式等の振替 に関する法律に規定する振替口座簿をいい ます。)に記載若しくは記録がされ、又はそ の未成年者口座に保管の委託がされている 上場株式等をいいます。「未成年者口座」及 び「未成年者口座管理契約」の用語の意義 については、下記2 ⑹①及び②を参照して ください。

⑵ 未成年者口座内上場株式等の配当等の範囲  非課税の対象となる配当等は、未成年者口座 内上場株式等の配当等(源泉分離課税とされて いる私募公社債等運用投資信託等の収益の分配 に係る配当等及び国外私募公社債等運用投資信 託等の配当等を除きます。)のうち次に掲げる ものをいいます(措法 9 の 9 ①、9 の 8 一~三)。

① 金融商品取引所に上場されている株式等そ の他一定の株式等の配当等(次の②又は③に 掲げるものを除きます。)で、内国法人から 支払がされるその配当等の支払に係る基準日 においてその内国法人の発行済株式又は出資 の総数又は総額の100分の 3 以上に相当する 数又は金額の株式(投資口を含みます。)又 は出資を有する者(大口株主等)がその内国 法人から支払を受けるもの以外のもの  この「金融商品取引所に上場されている株 式等その他一定の株式等」の範囲は、非課税 口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び 譲渡所得等の非課税措置(NISA)の対象と なっている株式等と同様ですが、具体的には、 次のイからヘまでの株式等のうち、金融商品 取引所に上場されている株式等、店頭売買登 録銘柄として登録された株式、店頭転換社債 型新株予約権付社債、店頭管理銘柄株式、登 録銘柄として登録された日本銀行出資証券又 は外国金融商品市場において売買されている

<20歳前に制度が終了する場合>

(勘定設定年) 28年( 7 歳) 29年( 8 歳) 30年( 9 歳)

31年(10歳) 32年(11歳) 33年(12歳) 34年(13歳) 35年(14歳) 36年(15歳) 37年(16歳)

譲渡代金

配当等 20歳までは、非課税で保有することが可能

(新規投資は不可) 譲渡代金 配当等 38年(17歳)

39年(18歳) 40年(19歳)

28年

( 7 歳)( 8 歳)29年( 9 歳)30年(10歳)31年(11歳)32年(12歳)33年(13歳)34年(14歳)35年(15歳)36年(16歳)37年(17歳)38年(18歳)39年(19歳)40年(20歳)41年

払出し制限解除

払出し制限解除

課税未成年者口座(上場株式等・預貯金等)

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

80万円

時価 80万円

時価 80万円

時価 80万円

時価 80万円

時価 80万円

再投資が可能

(4)

株式等をいいます(措法37の11②一、措令25 の 9 ②、措規18の10①)。

イ 株式(株主又は投資主となる権利、株式 の割当てを受ける権利、新株予約権及び新 株予約権の割当てを受ける権利を含みま す。)

ロ 特別の法律により設立された法人の出資 者の持分、合名会社、合資会社又は合同会 社の社員の持分、法人税法第 2 条第 7 号に 規定する協同組合等の組合員又は会員の持 分その他法人の出資者の持分(出資者、社 員、組合員又は会員となる権利及び出資の 割当てを受ける権利を含み、下記ニに掲げ るものを除きます。)

ハ 新株予約権付社債(資産の流動化に関す る法律に規定する転換特定社債及び新優先 出資引受権付特定社債を含みます。) ニ 協同組織金融機関の優先出資に関する法

律に規定する優先出資(優先出資者となる 権利及び優先出資の割当てを受ける権利を 含みます。)及び資産の流動化に関する法 律に規定する優先出資(優先出資社員とな る権利及び引受権を含みます。)

ホ 公社債投資信託以外の証券投資信託の受 益権及び証券投資信託以外の投資信託で公 社債等運用投資信託に該当しないものの受 益権

ヘ 特定受益証券発行信託の受益権

② 公社債投資信託以外の証券投資信託でその 設定に係る受益権の募集が一定の公募により 行われたもの(特定株式投資信託を除きま す。)の収益の分配に係る配当等

 この「一定の公募により行われたもの」と は、その募集が、次に掲げる場合の区分に応 じ、それぞれ次に定める取得勧誘により行わ れた証券投資信託をいいます(措法 8 の 4 ① 二、措令 4 の 2 ⑤)。

イ その受益権の募集が国内において行われ る場合

 その募集に係る金融商品取引法第 2 条第

3 項に規定する取得勧誘が同項第 1 号に掲 げる場合(多数の者を相手方として行う場 合をいいますが、適格機関投資家等のみを 相手方とするものは除かれます。次のロ及 び③ロにおいて同じです。)に該当し、か つ、委託者指図型投資信託約款又は委託者 非指図型投資信託約款にその取得勧誘が同 号に掲げる場合に該当するものである旨の 記載がなされて行われるもの

ロ その受益権の募集が国外において行われ る場合

 その募集に係る取得勧誘が金融商品取引 法第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる場合に該当 するものに相当するものであり、かつ、目 論見書その他これに類する書類にその取得 勧誘が同号に掲げる場合に該当するものに 相当するものである旨の記載がなされて行 われるもの

③ 特定投資法人の投資口の配当等

 この「特定投資法人」とは、投資信託及び 投資法人に関する法律の投資法人のうち、次 に掲げる要件を満たすもの(公募・オープン エンド型)をいいます(措法 8 の 4 ①三、措 令 4 の 2 ⑥)。

イ その規約に投資主の請求により投資口の 払戻しをする旨が定められていること。 ロ その投資口の募集に係る取得勧誘が金融

商品取引法第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる場 合に該当し、かつ、その募集に係る投資口 の引受けの申込みをしようとする者に対し その取得勧誘が同号に掲げる場合に該当す るものである旨の通知がなされて行われる ものであること。

⑶ 支払の取扱者の範囲

(5)

されていますが、この「支払の取扱者で一定の もの」とは、上記①から③までの配当等の支 払を受ける者のその配当等の受領の媒介、取次 ぎ又は代理(業務として又は業務に関連して国 内においてするものに限ります。)をする者で、 社債、株式等の振替に関する法律に規定する口 座管理機関であるものとされています(措法 9 の 9 ①、 9 の 8 、措令 5 の 2 の 2 、措規 5 の 5 の 2 )。

 したがって、支払の取扱者である金融商品取 引業者等を経由せずに未成年者口座内上場株式 等に係る配当等を受領した場合(例えば、株式 の発行会社から直接受領した場合)には、その 配当等は非課税の対象とはなりません。

2  未成年者口座内の少額上場株式等に係

る譲渡所得等の非課税

⑴ 譲渡所得等の非課税措置の内容

 金融商品取引業者等の営業所に未成年者口座 を開設している居住者等が、次に掲げる未成年 者口座内上場株式等の区分に応じそれぞれ次に 定める期間内に、その未成年者口座内上場株式 等のその未成年者口座管理契約に基づく譲渡を した場合には、その譲渡による事業所得、譲渡 所得及び雑所得については、所得税を課さない こととされました(措法37の14の 2 ①)。 ① 非課税管理勘定に係る未成年者口座内上場

株式等……未成年者口座にその非課税管理勘 定を設けた日から同日の属する年の 1 月 1 日 以後 5 年を経過する日までの間

② 継続管理勘定に係る未成年者口座内上場株 式等……未成年者口座にその継続管理勘定を 設けた日からその未成年者口座を開設した者 がその年 1 月 1 日において20歳である年の前 年12月31日までの間

 一方、未成年者口座管理契約に基づく未成年 者口座内上場株式等の譲渡による収入金額がそ の未成年者口座内上場株式等の取得費及びその 譲渡に要した費用の額の合計額又はその譲渡に 係る必要経費に満たない場合におけるその不足

額(損失額)は、所得税に関する法令の規定の 適用については、ないものとみなすこととされ ます(措法37の14の 2 ②)。

⑵ 対象となる上場株式等の範囲

 この特例の対象となる「上場株式等」の範囲 は、非課税口座内上場株式等に係る非課税措置 の対象となっている上場株式等と同じです。具 体的には、上記1 ⑵の①金融商品取引所に上場 されている株式等その他一定の株式等、②公社 債投資信託以外の証券投資信託でその設定に係 る受益権の募集が一定の公募により行われたも の及び③特定投資法人の投資口が対象となりま す(措法37の14の 2 ①)。

⑶ 上場株式等の譲渡の範囲

 この特例でいう「譲渡」の範囲は、上場株式 等の一般的な譲渡のほかに、上場株式等につき 会社の合併・分割型分割、資本の払戻し、残余 財産の分配、出資の消却・払戻し、法人からの 退社・脱退による持分の払戻し、法人の組織変 更などの事由が生じたことによりその上場株式 等の譲渡の対価とみなされる金額が生ずる場合 (措法37の11③④)におけるこれらの事由によ るその上場株式等の譲渡の対価の額とみなされ る金額に対応する部分の権利の移転又は消滅も 含まれます(措令25の13の 8 ⑰において準用す る措令25の13①)。一方、いわゆる有価証券先 物取引により行う譲渡(金融商品取引法第28条 第 8 項第 3 号イに掲げる取引の方法により行う 譲渡)は対象となりません。なお、実際にこの 特例の対象とされる譲渡は下記②ニに掲げる 方法により行われるものに限られます。

⑷ 未成年者口座内上場株式等の譲渡による所得 の区分計算

(6)

譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又 は雑所得の金額とその未成年者口座内上場株式 等以外の上場株式等の譲渡による事業所得の金 額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額とを区分 して、これらの金額を計算することとされてい ます(措法37の14の 2 ③、措令25の13の 8 ⑰に おいて準用する措令25の13②前段)。

 この場合において、その居住者等の有する同 一銘柄の上場株式等のうちにその未成年者口座 内上場株式等とその未成年者口座内上場株式等 以外の上場株式等とがある場合には、これらの 上場株式等については、それぞれその銘柄が異 なるものとして、その者のその年分の上場株式 等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金 額又は雑所得の金額の計算上必要経費又は取得 費に算入する金額の計算をすることとされてい ます(措令25の13の 8 ⑰において準用する措令 25の13②後段)。

 また、上場株式等の譲渡をした日の属する年 分の上場株式等の譲渡による事業所得の金額又 は雑所得の金額の計算上必要経費に算入される べき金額のうちに未成年者口座内上場株式等の 譲渡と未成年者口座内上場株式等以外の上場株 式等の譲渡の双方に関連して生じた金額(以下 「共通必要経費の額」といいます。)があるとき は、その共通必要経費の額は、これらの所得を 生ずべき業務に係る収入金額その他の基準のう ちその業務の内容及び費用の性質に照らして合 理的と認められる基準によりその未成年者口座 内上場株式等の譲渡に係る必要経費の額とその 未成年者口座内上場株式等以外の上場株式等の 譲渡に係る必要経費の額とに配分することとさ れています(措令25の13の 8 ⑰において準用す る措令25の13③、措規18の15の10⑰において準 用する措規18の15の 3 ①)。

⑸ 未成年者口座から未成年者口座内上場株式等 の払出しがあった場合の取扱い

① みなし譲渡

 次のイからハまでに掲げる事由により、未

成年者口座からの未成年者口座内上場株式等 の一部又は全部の払出し(振替によるものを 含みます。)があった場合には、その払出し があった未成年者口座内上場株式等について は、その払出事由が生じた時に、その払出し 時の金額(価額)により未成年者口座管理契 約に基づく譲渡があったものとみなして、こ の非課税措置及び未成年者口座年間取引報告 書の提出(下記参照)に関する規定その他 所得税に関する法令の規定を適用することと されています(措法37の14の 2 ④)。 イ 未成年者口座管理契約に従って行うⓐ未

成年者口座から他の株式等の振替口座簿へ の記載若しくは記録若しくは保管の委託に 係る口座(以下「他の保管口座」といいま す。)への移管又はⓑ未成年者口座内上場 株式等に係る有価証券のその居住者等への 返還

ロ 相続又は遺贈

ハ 次に掲げる事由でその居住者等の基準年 の 1 月 1 日以後に生じたもの

イ 未成年者口座の廃止 ロ 贈与

ハ 未成年者口座管理契約において定めら れた方法に従って行われる譲渡以外の譲 渡

(注 1 ) 上記イのⓐ未成年者口座管理契約に従 って行う未成年者口座から他の保管口座 への移管又はⓑ居住者等への返還とは、 居住者等の基準年前の各年に行われる未 成年者口座から課税未成年者口座への移 管や、基準年以後の各年に行われる未成 年者口座から他の保管口座への移管又は その居住者等への返還が該当します(下 記②ホを参照)。

(注 2 ) 上記ハの基準年とは、その居住者等が 3 月31日において18歳である年をいいま す。

(7)

基づく譲渡があったものとみなされるこ とから、払出し時の金額までの金額に対 応する損益(取得価額との差額)は非課 税又はないものとされます。

② 払い出された株式の取得価額

 上記①イのⓐ他の保管口座への移管若しく はⓑ有価証券の返還又は上記①ハイの未成年 者口座の廃止による未成年者口座内上場株式 等の払出しがあった未成年者口座を開設して いる(又は開設していた)居住者等について は、その移管、返還又は廃止による払出しが あった時に、その払出し時の金額をもって当 該他の保管口座への移管若しくは有価証券の 返還又は未成年者口座の廃止による払出しが あった未成年者口座内上場株式等の数に相当 する数のその未成年者口座内上場株式等と同 一銘柄の上場株式等の取得をしたものとみな され、上記①ロの相続若しくは遺贈又は上記 ①ハロの贈与により払出しがあった未成年者 口座内上場株式等を取得した者については、 その相続若しくは遺贈又は贈与の時に、その 払出し時の金額をもってその未成年者口座内 上場株式等と同一銘柄の株式等を取得したも のとされ、上記①ハハの譲渡により未成年者 口座から払い出された未成年者口座内上場株 式等は、その払出し時の金額で譲渡があった ものとみなされます(措法37の14の 2 ④)。 このため、上記①イからハまでの事由により 未成年者口座から払い出された上場株式等の その払出し後の取得価額は、その払出し時の 金額によることとなります。

③ 払出し時の金額

 上記②の払出し時の金額とは、次に掲げる 株式等の区分に応じそれぞれ次に定める金額 をその株式等の一単位当たりの価額として計 算した金額をいいます(措令25の13の 8 ⑰に おいて準用する措令25の13④)。

イ 取引所売買株式等(その売買が主として 金融商品取引所(外国の法令に基づき設立 されたものを含みます。)において行われ

ている株式等をいいます。)

 金融商品取引所において公表された払出 事由が生じた日におけるその取引所売買株 式等の最終の売買の価格(公表された同日 における最終の売買の価格がない場合には、 公表された同日における最終の気配相場の 価格とし、その最終の売買の価格及びその 最終の気配相場の価格のいずれもない場合 には、同日前の最終の売買の価格又は最終 の気配相場の価格が公表された日でその払 出事由が生じた日に最も近い日におけるそ の最終の売買の価格又はその最終の気配相 場の価格とします。)に相当する金額 ロ 店頭売買株式等(店頭売買登録銘柄とし

て登録された株式等をいいます。)  金融商品取引法の規定により公表された 払出事由が生じた日におけるその店頭売買 株式等の最終の売買の価格(公表された同 日における最終の売買の価格がない場合に は、公表された同日における最終の気配相 場の価格とし、その最終の売買の価格及び その最終の気配相場の価格のいずれもない 場合には、同日前の最終の売買の価格又は 最終の気配相場の価格が公表された日でそ の払出事由が生じた日に最も近い日におけ るその最終の売買の価格又はその最終の気 配相場の価格とします。)に相当する金額 ハ その他価格公表株式等(上記イ又はロに

掲げる株式等以外の株式等のうち、価格公 表者(株式等の売買の価格又は気配相場の 価格を継続的に公表し、かつ、その公表す る価格がその株式等の売買の価格の決定に 重要な影響を与えている場合におけるその 公表をする者をいいます。)によって公表 された売買の価格又は気配相場の価格があ るものをいいます。)

(8)

公表された同日における最終の気配相場の 価格とし、その最終の売買の価格及びその 最終の気配相場の価格のいずれもない場合 には、同日前の最終の売買の価格又は最終 の気配相場の価格が公表された日でその払 出事由が生じた日に最も近い日におけるそ の最終の売買の価格又はその最終の気配相 場の価格とします。)に相当する金額 (注) 投資信託の受益権の基準価額はこれに

該当します。

ニ 上記イからハまでに掲げる株式等以外の 株式等

 その株式等の払出事由が生じた日におけ る価額として合理的な方法により計算した 金額

④ 未成年者口座内上場株式等の発行法人の合 併等により取得した上場株式等を未成年者口 座に受け入れなかった場合の取扱い

 未成年者口座内上場株式等について生じた 下記②ロロのⅰからⅸまでの事由により取 得した上場株式等で未成年者口座に受け入れ なかったものがある場合には、その上場株式 等については、その事由が生じた時にその未 成年者口座に受け入れたものと、その受入れ 後直ちにその未成年者口座から他の保管口座 への移管があったものとそれぞれみなして、 上記及び並びに①から③までの特例が 適用されます(措令25の13の 8 ⑰において準 用する措令25の13⑪)。

(注) この場合には、下記②チの未成年者口 座から未成年者口座内上場株式等の払出し があった場合における金融商品取引業者等 から居住者等への払出し時の金額等の通知 も必要となります。

 なお、居住者等が開設している未成年者口 座に係る未成年者口座内上場株式等につき、 下記②ロロⅱからⅸまでの事由が生じたこ とによりその居住者等が上場株式等以外の株 式等(一般株式等)を取得した場合には、そ の事由が生じたことによる未成年者口座内上

場株式等の未成年者口座からの払出しは、未 成年者口座管理契約に反して行う口座からの 移管又は返還とはされません(措令25の13の 8 ⑭)。なお、この場合の払出し時の含み益 (又は含み損)は、非課税(又はないものみ

なす)とはなりません。

⑹ 未成年者口座の要件等 ① 未成年者口座の意義

 居住者等(その年 1 月 1 日において20歳未 満である者又はその年中に出生した者に限り ます。)が、上記1の配当所得の非課税又は 2 ⑴の譲渡所得等の非課税の適用を受けるた め、その口座を設定しようとする金融商品取 引業者等の営業所の名称及び所在地、その口 座に係る振替口座簿に記載若しくは記録がさ れ、又はその口座に保管の委託がされている 上場株式等の配当等に係る配当所得及びその 上場株式等の譲渡による事業所得、譲渡所得 又は雑所得について当該特例の適用を受ける 旨その他一定の事項を記載した未成年者口座 開設届出書に、未成年者非課税適用確認書又 は未成年者口座廃止通知書を添付して、これ をその金融商品取引業者等の営業所の長に提 出をして、その金融商品取引業者等との間で 締結した未成年者口座管理契約に基づき平成 28年 4 月 1 日から平成35年12月31日までの間 に設定された上場株式等の振替口座簿への記 載若しくは記録又は保管の委託(以下「振替 記載等」といいます。)に係る口座(その口 座において未成年者口座管理契約に基づく取 引以外の取引に関する事項を扱わないものに 限ります。)をいいます(措法37の14の 2 ⑤ 一)。

(注) 未成年者口座を開設する際の手続の詳細 については、下記を参照してください。 ② 未成年者口座管理契約の意義

(9)

において、次に掲げる事項が定められている ものをいいます(措法37の14の 2 ⑤二、措令 25の13の 8 ③~⑨、同条⑰において準用する 措令25の13⑥⑦⑩、措規18の15の10③~⑧)。 イ 上場株式等の振替記載等は、その振替記

載等に係る口座に設けられた非課税管理勘 定又は継続管理勘定において行うこと。 (注) 「非課税管理勘定」及び「継続管理勘

定」の意義については、下記③及び④を 参照してください。

ロ その非課税管理勘定においてはその居住 者等の次のイ又はロに掲げる上場株式等 (ストックオプション税制(措法29の 2 、 29の 3 )の適用を受けて取得をしたものを 除きます。)のみを受け入れること。 イ 次に掲げる上場株式等で、その口座に

非課税管理勘定が設けられた日から同日 の属する年の12月31日までの期間内に受 け入れた上場株式等の取得対価の額の合 計額が80万円を超えないもの

ⅰ その期間内にその金融商品取引業者 等への買付けの委託(買付けの委託の 媒介、取次ぎ又は代理を含みます。) により取得をした上場株式等、その金 融商品取引業者等から取得をした上場 株式等又はその金融商品取引業者等が 行う上場株式等の募集(金融商品取引 法第 2 条第 3 項に規定する有価証券の 募集に該当するものに限ります。)に より取得をした上場株式等で、その取 得後直ちに当該口座に受け入れられる もの

ⅱ その非課税管理勘定を設けた口座に 係る他の年分の非課税管理勘定から、 移管がされる上場株式等

 この上場株式等は、非課税管理勘定 を設けた口座を開設している居住者等 が、その口座が開設されている金融商 品取引業者等の営業所の長に対し、次 の事項を記載した未成年者口座内上場

株式等移管依頼書を提出して移管がさ れる上場株式等です(措令25の13の 8 ③、措規18の15の10③)。

a 未成年者口座内上場株式等移管依 頼書を提出する者の氏名、生年月日 及び住所

b その未成年者口座内上場株式等移 管依頼書の提出先の金融商品取引業 者等の営業所の名称及び所在地 c その未成年者口座に設けられた非

課税管理勘定に係る未成年者口座内 上場株式等を当該未成年者口座に係 る他の年分の非課税管理勘定に移管 することを依頼する旨及びその移管 を希望する年月日

d その移管しようとする未成年者口 座内上場株式等の種類、銘柄及び数 又は価額並びにその未成年者口座内 上場株式等の受入れをする非課税管 理勘定が設けられた日の属する年 e その他参考となるべき事項 (注 1 ) 上記イの「上場株式等の取得対価

の額」とは、購入した上場株式等に ついてはその購入の代価の額をいい、 払込みにより取得をした上場株式等 についてはその払い込んだ金額をい い、その口座に係る他の年分の非課 税管理勘定からの移管により受け入 れた上場株式等についてはその移管 に係る払出し時の金額をいいます。 (注 2 ) 上記ⅰの「金融商品取引法第 2 条

第 3 項に規定する有価証券の募集」 とは、新たに発行される有価証券の 取得勧誘のうち、50名以上の者を相 手方として有価証券の取得勧誘を行 う場合等に該当するものをいいます (金融商品取引法 2 ③、金融商品取引

法施行令 1 の 5 )。

(10)

て準用する措令25の13⑩)。

ⅰ 未成年者口座内上場株式等について 行われた株式又は投資信託若しくは特 定受益証券発行信託の受益権の分割又 は併合により取得する上場株式等で、 その受入れを未成年者口座に係る振替 口座簿に記載若しくは記録をし、又は その未成年者口座に保管の委託をする 方法(以下「未成年者口座に振替記載 等をする方法」といいます。)により 行うもの

ⅱ 未成年者口座内上場株式等について 行われた株式無償割当て、新株予約権 無償割当て又は新投資口予約権無償割 当てにより取得する上場株式等で、そ の受入れを未成年者口座に振替記載等 をする方法により行うもの

ⅲ 未成年者口座内上場株式等を発行し た法人の合併(その法人の株主等に合 併法人の株式(出資を含みます。以下 同じです。)又は合併親法人株式のい ずれか一方のみの交付がされるものに 限ります。)により取得する合併法人 の株式又は合併親法人株式で、その受 入れを未成年者口座に振替記載等をす る方法により行うもの

ⅳ 未成年者口座内上場株式等で投資信 託の受益権であるものに係る投資信託 の併合(その投資信託の受益者にその 併合に係る新たな投資信託の受益権の みの交付がされるものに限ります。) により取得する新たな投資信託の受益 権で、その受入れを未成年者口座に振 替記載等をする方法により行うもの ⅴ 未成年者口座内上場株式等を発行し

た法人の分割(その法人の株主等に分 割承継法人の株式又は分割承継親法人 株式のいずれか一方のみの交付がされ るものに限ります。)により取得する 分割承継法人の株式又は分割承継親法

人株式で、その受入れを未成年者口座 に振替記載等をする方法により行うも の

ⅵ 未成年者口座内上場株式等を発行し た法人の行った株式交換(その法人の 株主等に株式交換完全親法人の株式又 はその親法人の株式のいずれか一方の みの交付がされるものに限ります。) により取得する株式交換完全親法人の 株式若しくはその親法人の株式又は株 式移転(その法人の株主に株式移転完 全親法人の株式のみの交付がされるも のに限ります。)により取得する株式 移転完全親法人の株式で、その受入れ を未成年者口座に振替記載等をする方 法により行うもの

ⅶ 未成年者口座内上場株式等である新 株予約権又は新株予約権付社債を発行 した法人を被合併法人、分割法人、株 式交換完全子法人又は株式移転完全子 法人とする合併、分割、株式交換又は 株式移転(いずれも個人の株式等譲渡 益課税(措法37の11③)の対象となら ないものに限ります。)により取得す る合併法人等新株予約権等で、その受 入れを、その未成年者口座に振替記載 等をする方法により行うもの

(注) 上記の「合併法人等新株予約権 等」とは、その合併、分割、株式交 換又は株式移転に係る合併法人、分 割承継法人、株式交換完全親法人又 は株式移転完全親法人の新株予約権 又は新株予約権付社債をいいます。 ⅷ 未成年者口座内上場株式等で取得請

(11)

~三・六)の対象とされないものに限 ります。)により取得する上場株式等 で、その受入れを未成年者口座に振替 記載等をする方法により行うもの ⅸ 次に掲げる事由により取得する上場

株式等で、その受入れを未成年者口座 に振替記載等をする方法により行うも の

a 未成年者口座内上場株式等である 新株予約権付社債に付された新株予 約権(従来の転換社債の転換権を含 みます。)の行使

b 未成年者口座内上場株式等につい て与えられた株式の割当てを受ける 権利(株主等として与えられた場合 (その未成年者口座内上場株式等を 発行した法人の他の株主等に損害を 及ぼすおそれがあると認められる場 合を除きます。)に限ります。)の行 使

c 未成年者口座内上場株式等につい て与えられた新株予約権(投資法人 の新投資口予約権を含み、その新株 予約権を引き受ける者に特に有利な 条件若しくは金額であることとされ るもの又は役務の提供その他の行為 による対価の全部若しくは一部であ ることとされるもの(所得税法施行 令第84条の適用があるもの)を除き ます。)の行使

d 未成年者口座内上場株式等につい て与えられた取得条項付新株予約権 に係る取得事由の発生(個人の株式 等譲渡益課税(所法57の 4 ③五)の 対象とされない取得事由の発生に限 ります。)又は行使

(注) 未成年者口座について生じた上記ⅰ からⅸまでの事由により取得した上場 株式等で未成年者口座に受け入れなか ったものがある場合の取扱いについて

は、上記④を参照。

ハ 継続管理勘定においてはその居住者等の 次に掲げる上場株式等のみを受け入れるこ と。

イ その口座に継続管理勘定が設けられた 日から同日の属する年の12月31日までの 間に、その継続管理勘定を設けた口座に 係る非課税管理勘定から移管がされる上 場株式等で、その移管に係る払出し時の 金額の合計額が80万円を超えないもの  この上場株式等は、非課税管理勘定を 設けた口座を開設している居住者等が、 その口座が開設されている金融商品取引 業者等の営業所の長に対し、次の事項を 記載した未成年者口座内上場株式等移管 依頼書を提出して移管がされる上場株式 等です(措令25の13の 8 ④、措規18の15 の10③)。

ⅰ 未成年者口座内上場株式等移管依頼 書を提出する者の氏名、生年月日及び 住所

ⅱ その未成年者口座内上場株式等移管 依頼書の提出先の金融商品取引業者等 の営業所の名称及び所在地

ⅲ その未成年者口座に設けられた非課 税管理勘定に係る未成年者口座内上場 株式等を当該未成年者口座に係る継続 管理勘定に移管することを依頼する旨 及びその移管を希望する年月日 ⅳ その移管しようとする未成年者口座

内上場株式等の種類、銘柄及び数又は 価額並びにその未成年者口座内上場株 式等の受入れをする継続管理勘定が設 けられた日の属する年

ⅴ その他参考となるべき事項

ロ 上記イに掲げるもののほか、上記ロロ の上場株式等

(12)

イ 金融商品取引業者等への売委託による 方法

ロ 金融商品取引業者等に対してする方法 ハ 上場株式等を発行した法人に対して行 う単元未満株式の買取請求(会社法192 ①)による譲渡について、その買取請求 を未成年者口座を開設する金融商品取引 業者等の営業所を経由して行う方法 ニ 法人の資本の払戻し若しくは残余財産

の分配(措法37の11③、37の10③三)又 は株式等証券投資信託、非公社債等投資 信託若しくは特定受益証券発行信託の終 了若しくは一部の解約(措法37の11④ 一・二)により交付を受ける金銭及び金 銭以外の資産のうち上場株式等の譲渡の 対価とみなして課税する部分の権利の移 転又は消滅について、その金銭及び金銭 以外の資産の交付が未成年者口座を開設 する金融商品取引業者等の営業所を経由 して行われる方法

ホ 次に掲げる上場株式等は、それぞれ次に 定める移管をすること。

イ その口座に非課税管理勘定が設けられ た日の属する年の 1 月 1 日から 5 年を経 過する日(以下「 5 年経過日」といいま す。)において有するその非課税管理勘 定に係る上場株式等(その非課税管理勘 定が設けられた口座の他の年分の非課税 管理勘定又は継続管理勘定への移管がさ れるものを除きます。)……次に掲げる 場合の区分に応じそれぞれ次に定める移 管

ⅰ  5 年経過日の属する年の翌年 3 月31 日においてその居住者等が18歳未満で ある場合……その 5 年経過日の翌日に 行うその口座と同時に設けられた課税 未成年者口座への移管

ⅱ 上記ⅰに掲げる場合以外の場合…… その 5 年経過日の翌日に行う他の保管 口座への移管

ロ その居住者等がその年 1 月 1 日におい て20歳である年の前年12月31日において 有する継続管理勘定に係る上場株式等 ……同日の翌日に行う他の保管口座への 移管

ヘ その非課税管理勘定又は継続管理勘定に 記載若しくは記録又は保管の委託がされる 上場株式等は、その居住者等の基準年(上 記①の(注 2 )を参照)の前年12月31日ま では、次によること。

イ その上場株式等のその非課税管理勘定 又は継続管理勘定が設けられた口座から 他の保管口座でその口座と同時に設けら れた課税未成年者口座以外のものへの移 管又はその上場株式等に係る有価証券の その居住者等への返還をしないこと。  ただし、「災害等が生じたことにより 移管若しくは返還を行う場合」又は「金 融商品取引所への上場等が廃止された場 合」には、この要件にかかわらず、上場 株式等のその口座からの移管又は返還を することができます。

ⅰ 上記の「災害等が生じたことにより 移管若しくは返還を行う場合」とは、 次に掲げる事由による移管又は返還で その口座及び課税未成年者口座に記載 若しくは記録若しくは保管の委託又は 預入れ若しくは預託がされている上場 株式等及び金銭その他の資産の全てに ついて行うもの(以下「災害等による 返還等」といいます。)をいいます。 a その居住者等がその居住の用に供

している家屋であってその者又はそ の者と生計を一にする親族が所有し ているものについて、災害により全 壊、流失、半壊、床上浸水その他こ れらに準ずる損害を受けたこと。 b その年の前年12月31日(その年中

(13)

亡した者にあってはその死亡の日と なります。)においてその居住者等 を所得税法上の扶養親族とする者 (以下「扶養者」といいます。)が、 その扶養者又はその者と生計を一に する親族のためにその年中に支払っ た医療費の金額の合計額が200万円 を超えたこと。

(注) 上記の医療費の範囲は、医療費 控除の対象となる医療費の範囲と 同じです。したがって、上記の医 療費の金額は、保険金、損害賠償 金その他これらに類するものによ り補塡される金額がある場合には、 その金額を控除した後の金額にな ります。

c その居住者等の扶養者が、配偶者 と死別し、若しくは離婚したこと又 はその扶養者の配偶者が生死不明と なり、かつ、これらの事由が生じた 日の属する年の12月31日(その扶養 者が同年の中途において死亡した場 合には、その死亡の日)においてそ の扶養者が所得税法上の寡婦(その 年分の合計所得金額が500万円以下 であるものに限ります。)若しくは 寡夫に該当し、又は該当することが 見込まれること。

(注) 上記の生死不明とは、現行の寡 婦(寡夫)控除の対象となる者に 係るもの(所令11①各号)と同様 です。

d その居住者等又はその者の扶養者 が、所得税法上の特別障害者に該当 することとなったこと。

e その居住者等の扶養者が、雇用保 険法第23条第 2 項に規定する特定受 給資格者若しくは同法第13条第 3 項 に規定する特定理由離職者に該当す ることとなったこと又は経営の状況

の悪化によりその営む事業を廃止し たことその他これらに類する事由 ⅱ なお、上記ⅰのaからeまでの事由

に該当して非課税管理勘定又は継続管 理勘定から上場株式等又は金銭等の移 管又は返還を行う場合には、その事由 が生じたことについて未成年者口座を 開設している居住者等の納税地の所轄 税務署長の確認を受け、その税務署長 から交付を受けたその確認をした旨の 記載がある書面をその未成年者口座を 開設している金融商品取引業者等の営 業所の長にその事由が生じた日から 1 年を経過する日までに提出する必要が あります。この確認は、未成年者口座 を開設している居住者等から所轄税務 署長への次に掲げる事項を記載した書 面(上記iのaからeまでの事由が生 じたことを明らかにする書類が添付さ れたものに限ります。)による申出 (その事由が生じた日から11月を経過 する日までに行われるものに限りま す。)を受けて行われるものとされて います(措法37の14の 2 ⑤二ヘ、措令 25の13の 8 ⑤、措規18の15の10④⑤)。 a その者の氏名、生年月日、住所及

び個人番号

b 現にその未成年者口座を開設して いる金融商品取引業者等の営業所の 名称及び所在地

c 上記iのaからeまでの事由の詳 細及びその事由が生じた年月日 d その他参考となるべき事項 ⅲ また、「金融商品取引所への上場等

(14)

場等廃止事由」といいます。)による その口座からの払出しをいいます(措 令25の13の 8 ⑥、措規18の15の10⑥)。 ロ その上場株式等の未成年者口座管理契

約に定められた方法以外の方法による譲 渡で次に掲げるもの以外のもの(その譲 渡の対価に係る金銭その他の資産の交付 が、その口座が開設されている金融商品 取引業者等の営業所を経由して行われな いものに限ります。)又は贈与をしない こと。

ⅰ その上場株式等を発行した会社の合 併、分割、出資の消却又は組織変更 (租税特別措置法第37条の10第 3 項第 1 号、第 2 号、第 5 号又は第 6 号に規 定する事由)に伴う上場株式等の譲渡 ⅱ 租税特別措置法第37条の11第 4 項第 1 号の投資信託の終了(信託の併合に 係るものに限ります。)に伴う上場株 式等の譲渡

ⅲ 上場株式等を発行した法人の行う株 式交換又は株式移転によるその法人に 係る株式交換完全親法人又は株式移転 完全親法人に対する当該上場株式等の 譲渡(租税特別措置法第37条の12の 2 第 2 項第 5 号に掲げる譲渡)

ⅳ 上場株式等を発行した法人が行う会 社法第234条第 1 項又は第235条第 1 項 (これらの規定を他の法律において準 用する場合を含みます。)の規定その 他一定の規定による 1 株又は 1 口に満 たない端数に係る上場株式等の競売 (会社法第234条第 2 項(同法第235条 第 2 項又は他の法律において準用する 場合を含みます。)等の規定による競 売以外の方法による売却を含みます。) によるその上場株式等の譲渡(租税特 別措置法第37条の12の 2 第 2 項第 8 号 に掲げる譲渡)

ⅴ 法人の合併に係る被合併法人の新株

予約権者がその合併によりその新株予 約権者が有していたその被合併法人の 新株予約権に代えて金銭その他の資産 を受ける場合における当該新株予約権 の譲渡(租税特別措置法施行令第25条 の 8 第 4 項第 1 号に掲げる事由による 新株予約権の譲渡)

ⅵ 取得請求権付株式、取得条項付株式、 全部取得条項付種類株式又は取得条項 付新株予約権が付された新株予約権付 社債であるものに係る請求権の行使、 取得事由の発生又は取得決議による譲 渡(所得税法第57条の 4 第 3 項の規定 による譲渡益課税の繰り延べの対象と なるものを除きます。)

ハ その上場株式等の譲渡の対価又はその 上場株式等に係る配当等として交付を受 ける金銭その他の資産(以下「譲渡対価 の金銭等」といいます。)は、その受領 後直ちに課税未成年者口座に預入れ又は 預託をすること。

(注) 上記の「譲渡の対価」には、上場株 式等を発行した法人の合併、分割その 他の事由により交付を受ける額が租税 特別措置法第37条の11第 3 項又は第 4 項の規定により上場株式等に係る譲渡 所得等に係る収入金額とみなされる金 銭その他の資産を含みます。

 ただし、次に掲げる配当等又は譲渡の 対価は、金融商品取引業者等を経由して 支払われるものではないことから、課税 未成年者口座に預入れ又は預託をする必 要がありません(非課税の対象にもなり ません。)。

ⅰ 上場株式等に係る配当等で、その口 座が開設されている金融商品取引業者 等が国内における支払の取扱者でない もの

(15)

その交付が、その口座が開設されてい る金融商品取引業者等の営業所を経由 して行われないもの

ト その口座につき上記ホ若しくはヘに掲げ る要件に該当しないこととなる事由又は災 害等による返還等(上記ヘイⅰ参照)が生 じた場合には、これらの事由(下記①に おいて「未成年者口座等廃止事由」といい ます。)が生じた時にその口座及びその口 座と同時に設けられた課税未成年者口座を 廃止すること。

チ 未成年者口座からの未成年者口座内上場 株式等の全部又は一部の払出し(振替によ るものを含むものとし、特定口座以外の口 座(非課税口座を除きます。)への移管に 係るものに限ります。)があった場合には、 その未成年者口座を開設され、又は開設さ れていた金融商品取引業者等は、その未成 年者口座を開設し、又は開設していた居住 者等に対し、その払出しがあった未成年者 口座内上場株式等の払出し時の金額及び数、 その払出しに係る事由及びその事由が生じ た日その他参考となるべき事項を通知する こと。

(注) 相続又は遺贈(贈与をした者の死亡に より効力を生ずる贈与を含みます。)によ る払出しがあった場合には、上記の通知 は、その相続又は遺贈によりその未成年 者口座に係る未成年者口座内上場株式等 であった上場株式等を取得した者に対し て行うこととなります。

リ 未成年者口座を開設している居住者等の 基準年の前年12月31日までにその者が出国 により居住者等に該当しないこととなる場 合には、その者は、その出国をする日の前 日までに、その旨、その未成年者口座に係 る未成年者口座内上場株式等の全てを課税 未成年者口座に移管することを依頼する旨 及び次の事項を記載した出国移管依頼書を、 その未成年者口座が開設されている金融商

品取引業者等の営業所の長に提出すること。 イ 出国移管依頼書を提出する者の氏名、

生年月日及び住所

ロ 出国移管依頼書の提出先の金融商品取 引業者等の営業所の名称及び所在地 ハ 金融商品取引業者等の営業所に開設さ

れている未成年者口座の記号又は番号 ニ 出国をする予定年月日及び帰国をする

予定年月日並びに出国後の国外における 連絡先

ホ 出国移管依頼書を提出する者が国税通 則法の規定による納税管理人の届出をし ている場合には、その納税管理人の氏名 及び住所

ヘ その他参考となるべき事項

ヌ 出国移管依頼書の提出を受けた金融商品 取引業者等の営業所の長は、その出国の時 に、未成年者口座に係る未成年者口座内上 場株式等の全てをその未成年者口座と同時 に設けられた課税未成年者口座に移管する こと。

ル 出国移管依頼書の提出を受けた金融商品 取引業者等の営業所の長は、その未成年者 口座を開設している居住者等が、帰国をし た後、その金融商品取引業者等の営業所の 長に帰国をした旨及び次に掲げる事項を記 載した届出書を提出する時までの間は、そ の未成年者口座に係る非課税管理勘定に上 場株式等を受け入れないこと。

イ その届出書を提出する者の氏名、生年 月日及び住所

ロ 出国移管依頼書の提出先の金融商品取 引業者等の営業所の名称及び所在地 ハ 出国をした年月日及び帰国をした年月

ニ その他参考となるべき事項 ③ 非課税管理勘定の意義

(16)

引に関する記録と区分して行うための勘定で、 平成28年から平成35年までの各年(その居住 者等が、その年 1 月 1 日において20歳未満で ある年及び出生した日の属する年に限りま す。)の 1 月 1 日に設けられるものをいいま す(措法37の14の 2 ⑤三)。

(注) この非課税管理勘定は原則として 1 月 1 日に設けられますが、未成年者非課税適用 確認書が年の中途において提出された場合 におけるその提出された日の属する年につ いてはその提出の日に設けられ、未成年者 口座廃止通知書を添付した未成年者口座開 設届出書が提出された場合には下記⑦の その記載事項の提供を受けた所轄税務署長 から下記⑦イの未成年者口座が開設でき る旨等の提供があった日(その非課税管理 勘定を設定しようとする年の 1 月 1 日前に その事項の提供があった場合には、同日) に設けられます。

④ 継続管理勘定の意義

 未成年者口座管理契約に基づき振替記載等 がされる上場株式等につき、その記載若しく は記録又は保管の委託に関する記録を他の取 引に関する記録と区分して行うための勘定で、 平成36年から平成40年までの各年(その居住 者等が、その年 1 月 1 日において20歳未満で ある年に限ります。)の 1 月 1 日に設けられ るものをいいます(措法37の14の 2 ⑤四)。 ⑤ 課税未成年者口座の意義

 未成年者口座を開設した居住者等が、その 未成年者口座を開設している金融商品取引業 者等の営業所又はその金融商品取引業者等と 次に定める関係にある法人の営業所に開設し ている特定口座又は預金口座、貯金口座若し くは顧客から預託を受けた金銭その他の資産 の管理のための口座(これらの口座において 課税未成年者口座管理契約に基づく取引以外 の取引に関する事項を扱わないものに限りま す。)で、当該未成年者口座と同時に設けら れるものをいいます(措法37の14の 2 ⑤五、

措令25の13の 8 ⑩)。

イ その法人とその金融商品取引業者等との 間にその法人がその金融商品取引業者等の 発行済株式(議決権のあるものに限ります。 以下同じです。)又は出資(以下「発行済 株式等」といいます。)の総数又は総額の 50%を超える数又は金額の株式を直接に保 有する場合における当該関係(いわゆる親 子関係)

ロ その金融商品取引業者等との間に上記イ の関係がある法人がその金融商品取引業者 等以外の法人(以下「他の法人」といいま す。)の発行済株式等の総数又は総額の50 %を超える数又は金額の株式を直接に保有 する場合におけるその金融商品取引業者等 と当該他の法人の関係(いわゆる兄弟関 係)

⑥ 課税未成年者口座管理契約の意義

 この非課税措置の適用を受ける居住者等が、 特定口座又は預金口座、貯金口座若しくは顧 客から預託を受けた金銭その他の資産の管理 のための口座を開設する際に未成年者口座を 開設する金融商品取引業者等と締結した契約 (未成年者口座管理契約と同時に締結される ものに限ります。)で、その契約書において、 次に掲げる事項が定められているものをいい ます(措法37の14の 2 ⑤六、措令25の13の 8 ⑪~⑬、同条⑰において準用する措令25の13 ⑦)。

イ 上場株式等の振替記載等又は金銭その他 の資産の預入れ若しくは預託は、特定口座 に関する定めにかかわらず、その記載若し くは記録若しくは保管の委託又は預入れ若 しくは預託に係る口座に設けられた課税管 理勘定において行うこと。

(17)

託又は預入れ若しくは預託に関する記録 を他の取引に関する記録と区分して行う ための勘定をいいます。また、「特定口座 に関する定めにかかわらず」とされてい るのは、特定口座を開設する際に締結す る上場株式等保管委託契約においては、 上場株式等を特定保管勘定において管理 することとされているためです(措法37 の11の 3 ③二)。

ロ 課税管理勘定において振替記載等がされ ている上場株式等の譲渡は、特定口座に関 する定めにかかわらず、次の方法により行 うこと。

イ 金融商品取引業者等への売委託による 方法

ロ 金融商品取引業者等に対してする方法 ハ 上場株式等を発行した法人に対して行 う単元未満株式の買取請求(会社法192 ①)による譲渡について、その買取請求 を課税未成年者口座を開設する金融商品 取引業者等の営業所を経由して行う方法 ニ 法人の資本の払戻し若しくは残余財産 の分配(措法37の11③、37の10③三)又 は株式等証券投資信託、非公社債等投資 信託若しくは特定受益証券発行信託の終 了若しくは一部の解約(措法37の11④ 一・二)により交付を受ける金銭及び金 銭以外の資産のうち上場株式等の譲渡の 対価とみなして課税する部分の権利の移 転又は消滅について、その金銭及び金銭 以外の資産の交付が課税未成年者口座を 開設する金融商品取引業者等の営業所を 経由して行われる方法

ハ 上場株式等に係る譲渡対価の金銭等は、 その受領後直ちにその口座に預入れ又は預 託をすること。

ニ その口座に記載若しくは記録又は保管の 委託がされる上場株式等及びその口座に預 入れ又は預託がされる金銭その他の資産は、 その居住者等の基準年の前年12月31日まで

は、次に定めるところによること。 イ 上場株式等のその口座から他の保管口

座への移管又はその上場株式等に係る有 価証券のその居住者等への返還をしない こと。

 ただし、次の事由に基づく場合には、 この要件にかかわらず、移管又は返還を することができます。

ⅰ 災害等事由(上記②ヘイⅰのaから eまでに掲げる事由をいいます。)に よる移管又は返還でその口座及びその 口座と同時に設けられた未成年者口座 に記載若しくは記録若しくは保管の委 託又は預入れ若しくは預託がされてい る上場株式等及び金銭その他の資産の 全てについて行うもの(下記ハ及びホ において「災害等事由による返還等」 といいます。)。

ⅱ 居住者等が開設している口座に設け られた課税管理勘定に係る上場株式等 の上場等廃止事由(上記②ヘイⅲ参 照)によるその口座からの払出し ロ その上場株式等の課税未成年者口座管

理契約に定められた方法以外の方法によ る譲渡で上記②へロⅰからⅵまでに掲げ るもの以外のもの(その譲渡の対価に係 る金銭その他の資産の交付が、その口座 が開設されている金融商品取引業者等の 営業所を経由して行われないものに限り ます。)又は贈与をしないこと。 ハ 金銭その他の資産のその口座からの払

出し(その口座又は未成年者口座に記載 若しくは記録又は保管の委託がされる上 場株式等の取得のためにする払出し及び その口座に係る上場株式等につき災害等 事由による返還等(上記イⅰ参照)がさ れる場合のその金銭その他の資産の払出 しを除きます。)をしないこと。 (注) 居住者等が開設している課税未成年

(18)

内保管上場株式等につき、上記②ロロ ⅱからⅸまでの事由(発行法人の合併 等)が生じたことによりその居住者等 が上場株式等以外の株式等(一般株式 等)を取得した場合には、その事由が 生じたことによる特定口座内保管上場 株式等の課税未成年者口座からの払出 しは、課税未成年者口座管理契約に反 して行う上記イの口座からの移管又は 返還とはされません(措令25の13の 8 ⑭)。

ホ その口座につき、上記ハ若しくはニに掲 げる要件に該当しないこととなる事由又は 災害等事由による返還等(上記イⅰ参照) が生じた場合には、これらの事由(下記 ①において「課税未成年者口座等廃止事 由」といいます。)が生じた時にその口座 及びその口座と同時に設けられた未成年者 口座を廃止すること。

ヘ 居住者等の基準年の 1 月 1 日において、 その口座が開設されている金融商品取引業 者等に重複して開設されているその口座以 外の特定口座があるときは、同日にその口 座(特定口座である口座に限ります。)を 廃止すること。

ト 金融商品取引業者等の営業所の長に出国 移管依頼書を提出した個人がその金融商品 取引業者等と締結した課税未成年者口座管 理契約及びその履行については、その出国 の時から帰国の時までの間は、当該個人を 居住者とみなして課税未成年者口座及び課 税未成年者口座管理契約に関する取り決め (上記ロ及びヘに関する事項を除きます。)

を適用すること。

(注) 上記トの要件により、出国期間中も課 税未成年者口座内の上場株式等及び金銭 その他の資産の払出し等をすることはで きないこととされています。

⑺ 未成年者口座管理契約又は課税未成年者口座 管理契約に反する行為があった場合の取扱い ① 非課税措置の不適用

 この非課税措置は、未成年者口座を開設し た居住者等が18歳になるまでの間は、上場株 式等及び資金等を未成年者口座及び課税未成 年者口座から払い出すことが禁止されていま す。これに反して、未成年者口座及び課税未 成年者口座を開設する居住者等の基準年の前 年12月31日までにこれらの口座からの上場株 式等の払出しなどの契約不履行等事由が生じ た場合には、それまでに未成年者口座におい て生じた所得についてこの非課税措置は適用 せずに、遡及して課税することとされていま す(措法37の14の 2 ⑥)。ただし、災害等に よる返還等(上記②ヘイⅰ参照)が生じた ことに基因するものは、この遡及課税は行い ません。

 この契約不履行等事由とは、未成年者口座 管理契約若しくは課税未成年者口座管理契約 又はこれらの履行について、次に掲げる事由 に該当したことをいいます。

イ 上記②ホ若しくはヘ又は⑥ハ若しくは ニに掲げる要件に該当しない事由が生じた こと。

ロ 未成年者口座又は課税未成年者口座の廃 止(災害等による返還等(上記②ヘイⅰ 参照)が生じたことによるものを除きま す。)をしたこと。

② 譲渡所得等の課税方法

 この契約不履行等事由に該当して未成年者 口座内において生じた譲渡所得等について課 税が行われる場合には、次のように取り扱わ れて課税が行われます(措法37の14の 2 ⑥)。 イ 未成年者口座の設定の時から契約不履行

(19)

成年者口座内上場株式等の未成年者口座管 理契約において定められた方法に従って行 われる譲渡以外の譲渡があったものとみな されます。

ロ 未成年者口座の設定の時から契約不履行 等事由が生じた時までの間に上記①イの ⓐ他の保管口座への移管又はⓑ居住者等へ の返還があった未成年者口座内上場株式等 についてはこの非課税措置の適用がなかっ たものとし、かつ、その契約不履行等事由 が生じた時に、その移管があった時におけ る払出し時の金額により未成年者口座管理 契約において定められた方法に従って行わ れる譲渡以外の譲渡があったものとみなさ れます。

ハ 契約不履行等事由の基因となった未成年 者口座内上場株式等及び契約不履行等事由 が生じた時における当該未成年者口座に係 る未成年者口座内上場株式等については、 その契約不履行等事由が生じた時に、その 時における払出し時の金額により未成年者 口座管理契約において定められた方法に従 って行われる譲渡以外の譲渡があったもの とみなされます。

ニ 上記ロの適用を受ける未成年者口座を開 設していた居住者等については、その移管 があった時に、その時における払出し時の 金額をもってその移管による払出しがあっ た未成年者口座内上場株式等の数に相当す る数の未成年者口座内上場株式等と同一銘 柄の株式等の取得をしたものとみなされま す。

ホ 上記ハの適用を受ける未成年者口座を開 設していた居住者等については、契約不履 行等事由が生じた時に、その時における払 出し時の金額をもって未成年者口座内上場 株式等(上記②ヘロの譲渡又は贈与がさ れたものを除きます。)の数に相当する数 の未成年者口座内上場株式等と同一銘柄の 株式等の取得をしたものと、上記ハの未成

年者口座内上場株式等を贈与により取得し た者については、契約不履行等事由が生じ た時に、その時における払出し時の金額を もって未成年者口座内上場株式等と同一銘 柄の株式等の取得をしたものとそれぞれみ なされます。

 なお、上記イからハまでにより譲渡があっ たものとみなされる未成年者口座内上場株式 等に係る収入金額がその未成年者口座内上場 株式等の取得費及びその譲渡に要した費用の 額の合計額又はその譲渡に係る必要経費に満 たない場合におけるその不足額(損失額)は、 所得税に関する法令の規定の適用については、 ないものとみなすこととされます(措法37の 14の 2 ⑦)。したがって、譲渡所得の金額の 計算上損失が生じている場合でも、他の未成 年者口座以外の上場株式等に係る譲渡所得等 の金額や、下記④により課税される未成年者 口座内又は課税未成年者口座内の配当所得と の損益通算をすることはできません。 ③ 譲渡所得等の区分計算

 この契約不履行等事由に該当し、非課税措 置の適用を受けた譲渡所得等について課税さ れることとなった場合において、その居住者 等が、その未成年者口座内上場株式等及び未 成年者口座内上場株式等以外の上場株式等を 有する場合には、上記②イからハまでによる 未成年者口座内上場株式等の譲渡による事業 所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金 額とその未成年者口座内上場株式等以外の上 場株式等の譲渡による事業所得の金額、譲渡 所得の金額又は雑所得の金額とを区分して、 これらの金額を計算することとされています (措令25の13の 8 ⑮において準用する措令25

の13②前段)。

参照

関連したドキュメント

ヒュームがこのような表現をとるのは当然の ことながら、「人間は理性によって感情を支配

注意事項 ■基板実装されていない状態での挿抜は、 破損、

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31

それは10月31日の渋谷に於けるハロウィンのことなのです。若者たちの仮装パレード

新設される危険物の規制に関する規則第 39 条の 3 の 2 には「ガソリンを販売するために容器に詰め 替えること」が規定されています。しかし、令和元年

は︑公認会計士︵監査法人を含む︶または税理士︵税理士法人を含む︶でなければならないと同法に規定されている︒.

賠償請求が認められている︒ 強姦罪の改正をめぐる状況について顕著な変化はない︒

17‑4‑672  (香法 ' 9 8 ).. 例えば︑塾は教育︑ という性格のものではなく︑ )ット ~,..